2020年4月26日日曜日

こだわりがあるのは発達障害児だけじゃない、発達障害と間違われる要因は何なのか、食のユニバーサルデザインの“食”は何だろうか、発達障害の視覚過敏と勘違いされる・間違われやすいアーレンシンドローム

こだわりがあるのは発達障害児だけじゃない、発達障害と間違われる要因は何なのか、食のユニバーサルデザインの“食”は何だろうか、発達障害の視覚過敏と勘違いされるアーレンシンドロームについて

#1
 こだわりがあるのは発達障害児だけじゃない

#2 発達障害と間違われる要因は何なのか

#3 食のユニバーサルデザインの“食”は何だろうか

#4 発達障害の視覚過敏と勘違いされるアーレンシンドローム

#5
 発達障害と間違われやすいアーレンシドローム2

発達障害を理解するためのコンテンツ 

発達障害者支援法


#1

こだわりがあるのは発達障害児だけじゃない

発達障害の自閉症スペクトラム障害は、独特のこだわりを持っています。

“おたく”的なこだわりだけでなく、生き方そのもののこだわりがあって、指摘をして直そうとするものではなくて、その特性を活かしてあげることが大事だと考えています。

こだわりがあり、それを達成することに喜びを感じて、またやりたい、続けていきたいという気持ちは得意なことを伸ばしてあげるには重要なこととなります。

こういったこだわりは、発達障害児を支える人たちにもあって、成功例と自負している人たちの中には、この方法をすれば改善ができる、子どもの負担も親の負担も減らせると信じて活動をしている方々もいます。

身勝手ではいけないからと、発達障害児を支えてきた親と交流を重ねることで同じ経験と体験をした人の声を集め、それを見える形に構築して、そして広めていかれています。

その活動は立派なことで、是非とも続けてほしいのですが、それがすべてのことか、という疑問だけは自身に投げかけて、反芻して自信にしていってほしいということも願っています。

科学的なエネビデンスを重視して研究活動に取り組んできた立場としては、共通して起こったことが事実であるのかを確認してからでないと、怖くて他に伝えることができません。

あまりに卑近な例かもしれませんが、過去に静岡県で緑茶を飲んでいる地域には、がんの発生が少ないものの、みかんを多く食べる地域では発生が多かったので、ビタミンではなく他の要素が関係しているという論拠から、テレビ番組にしたいという話があって、監修者の紹介を求められたことがあります。

しかし、みかんを多く食べる地域で他のことがされていないのか、逆にリスクを高めることをしていないのかと確認することなく、みかんを犯人にすることはできないということで紹介も断りました。

これは私たち自身の反省点でもあるのですが、こだわることなく見る角度、切り口を変えて観察してみて、それでも間違いがない、同じ結果が導かれるということでないと、確実なこととして打ち出すことはできないという認識をしています。

例えば精神的なケアで効果が上がった成功例も、他の要因がなかったのか、他のことをプラスしたらより効果があったのではないか、ということも考えて、そのことを学び、自分たちの方法をバージョンアップさせる方法についても検討していくべきではないか、ということを連携して進んでいこうと考えている方々に伝えさせてもらっています。

#2

発達障害と間違われる要因は何なのか

発達障害は脳の発達と機能に関係することから、その日、その時の状況が機能にも影響を与えています。

発達障害を認知症と比較してよいのか疑問もあるのですが、認知症の検査は1回だけでは見逃すこともあれば逆に誤って認知症と判断されてしまうこともあります。

そのため、正確を期するためには複数回の検査、別の方法での検査による判定が必要になります。

これは試験としては乱暴な方法であることは承知をして、検査のあり方を検討するために実施された方法ですが、わざと厳しい態度で医師が対応する、急いで検査をする、聞こえにくい感じで質問する、といったパニックを起こしかねない条件では、認知症検査の結果が悪く出て、ボーダーライン(予備群とされる軽度認知障害)にある人が認知症と判定される結果となった例も多数ありました。

これと同じではないものの、発達障害についても対応によって発達障害ではない子どもが間違って判定される危険性もあります。

医師に状況を伝えるのは子どもではなくて親という例が多く、親が正確に伝えられない状況では、間違いも起こりやすくなっています。

今どきはネット情報が溢れていて、発達障害の情報はいくらでも検索で出てきます。

発達障害の発現率は10%とされていることもあって、これを見て心配になってしまい、神経質になって子どもの状況を強く訴えてしまうことから、これが間違いを生むことにもなっています。

このことは、もちろん専門医は承知していて的確に対応して判定しているはずですが、ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)は感受性が豊かで、周囲の反応に敏感すぎて傷つきやすい子どもで、出現率は20%にも及んでいるという報告があります。

これは病気や障害ではなくて、生まれ持った気質ではあるものの、体調によっては発達障害と同じような反応や行動をすることがあり、表面上だけを見ているような状況だと誤った判定にもなりかねません。

健康診断を受けて、病気が発見されると、そのことばかりに注目してしまい、他のことを忘れてしまうというのはよくあることですが、親が子どもの反応を気にしすぎることが見逃し、間違った判断にならないように、正確な情報を入手してほしいのです。

その基本となる情報を発信する機会として私たちが進めているのが児童発達サポーター制度です。

#3

食のユニバーサルデザインの“食”は何だろうか

障害の有無、年齢に関係なく安心して暮らすことができる共生社会の実現ために必要なものの一つとしてユニバーサルデザインがあげられます。

食事に関してもユニバーサルデザインは必要ですが、これをキーワードとしてネット検索すると出てくる情報のほとんどがユニバーサルデザインフードです。

これは介護食品でレトルトや冷凍食品の形状で、軟らかくて食べやすく、消化もよいものですが、高齢者や障害者のための食感や味付けではなくて、栄養バランスも考えられていて、誰でもが食べられる内容となっています。

そのエネルギー量は100kcalが基本となっています。

食のユニバーサルデザインを打ち出して、治療食や介護食を提供する方々の支援を行った先生が、100kcalの食事を基本としたダイエット・デザイン・ハウスを打ち出して、100kcal単位の食事をワンパック化して提供することの有用性を教育していったことと関係があります。

日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、その大学の先生と一緒に100kcalダイエットのNPO法人を立ち上げて活動してきた関係から、食のユニバーサルデザインについては、ずっと関心を持って変化を見てきました。

食のユニバーサルデザインは、何を、どれくらい食べれば栄養バランスが取れるかを知って、そのための食品を選び、自分で献立づくりができるようにすることを目的としているのですが、“食”を、どう考えればよいのかは英語で何になるのかということから考えるようにしています。

食品(food)ではないし、食事(meal)でもなく、食べる(eat)でもないと考えた結果、提案したのは食生活を意味するdietです。

食事療法はdiet cureで、食文化はdietary cultureとなります。

Dietaryは“食事の”を意味する用語で、私たちが普通にサプリメントと呼んでいるのはdietary supplementです。

日本メディカルダイエット支援機構のダイエットは食事療法だけでなく、健康のために正しいことを実践するdietを基本としているので、食事にだけこだわっているわけではありません。

しかし、食事は重要なことなので、医学・科学に基づいたメディカルダイエットとして食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせによる効果的な健康法を提供しています。

#4

発達障害の視覚過敏と勘違いされるアーレンシンドローム

発達障害の感覚過敏は自閉症スペクトラム障害に多くみられるもので、その一つの視覚障害は見え方が通常とは異なることから非常に困難を抱えています。

知覚に占める視覚の割合は83%とされていて、視覚に問題があると、生活に大きな支障が起こってきます。

印刷物の文字は白い紙に描かれているのが一般的ですが、背景の白が輝いて見えたり、眩しく感じて、文字がよく見えないことに悩みを抱えている子どもがいます。

そのような状況を訴えられると、まずは視覚障害が疑われることが多いのですが、実際にはアーレンシンドロームであることも少なくありません。

アーレンシンドロームは視覚の過敏症と呼ばれていて、名称こそ視覚過敏と似ているものの、まったく異なるものです。

アーレンシンドロームは光の一部に対する感受性が高いために起こるものです。

これとは逆に、光の一部に対する感受性が低いために色がよく見えなくなるのが色盲や色弱です。

光は3原色から構成されていて、青い光を感じやすい人、緑の光を感じやすい人、赤い光を感じやすい人がいます。

中には2つの光、すべての光を感じやすい人もいます。

光の違いは波長の違いによるもので、一定の光に対する感受性が高くなると見えにくくなってしまいます。

そのために見えるはずがない紫外線を見ることができたり、蛍光灯の光が波のように揺れて見える、光がチラチラして見えるということもあります。

他の人には何も見えない、何も感じないものであっても、余計なものが見えてしまうために疲れてしまい、それが原因で体調を崩すことにもなりかねません。

眩しく見えることから頭痛や吐き気を起こす人もいます。

アーレンシンドロームの子供は、学習障害の読字障害と勘違いされることもあります。

それは単語を読み飛ばす、1行ごと抜けてしまうということがあるからで、その原因としては文字の背景の白が強く光って、文字がかすんだり、一部が消える、二重に見えるといったことが起こるからです。

アーレンシンドロームのために集中力がなくて注意欠如・多動性障害と勘違いされることもあります。

アーレンシンドロームの出現率は6%ほどと推定されています。

発達障害の出現率が10%ほどとされているものの、そのうち感覚過敏は起こりやすい自閉症スペクトラム障害は2%くらいで、その全員に視覚過敏があるわけではないので、圧倒的にアーレンシンドロームのほうが多いことがわかります。

#5

発達障害と間違われやすいアーレンシドローム2

アーレンシンドロームは視覚の過敏症と呼ばれていて、光の一部に対する感受性が高いために起こるものです。

アーレンシンドロームの主症状は、光を眩しく感じるだけでなく、白い紙だけでも眩しくて文字が見えないということも起こります。

この光の感受性が強いことから日光や照明が苦手で、特に青い光のブルーライトのLEDの光が強く感じて、非常に不快な気分にされます。

テレビもパソコンもスマホもLEDの光なので、操作だけでなく、テレビを正面から見ることもできないという人までいます。

そして、めまいやイライラ、不安、疲れが起こり、頭痛や気分の落ち込み、落ち着きのなさも起こり、悪くするとうつ状態の引き金にもなりかねません。

これが発達障害の自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害と勘違いされることもあります。

よく見えなくなることから文字を正しく読むことができずに、早く読めない、本に書かれていることが理解できない、間違って読んでしまうということから学習障害の読字障害と勘違いされることもあります。

また、よく見えないことから文字や図が上手に書けない、という書字障害にも間違われます。

光を避けるために室内を暗くしたり、暗いところに閉じこもるということもあって、これが自閉症スペクトラム障害と間違われることにもなりかねません。

発達障害では運動不足から体操や球技が苦手ということがあっても、感覚の調整がうまくいかないということは、あまりみられません。

それに対して、アーレンシンドロームは白い光が眩しくて白いボールが見えにくい、二重に見えるというようなことが起こって、ボールがキャッチできない、スパイクが打てないということにもなります。

跳び箱のマットも白いために見えにくく、距離感がつかめずに手がうまくつけない、激突するということも起こります。

距離感がつかめないと階段で転ぶ、エスカレータに乗るときにつまずくということになり、悪くすると普通に歩いているだけでも強い光を感じたり、白い壁にところでは正常に歩けずに転倒することにもなりかねません。

このような状態では自動車を運転するのも危険で、夜にライトが点灯されると対向車のヘッドライトが急に眩しく感じる、信号の3色がよく見えない、ということもあり、軽いアーレンシンドロームであっても非常に疲れやすくて、歩行者が見えにくいというようなことも起こって、これが事故にもつながりかねないのです。

特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構

理事長 小林正人様

より掲載依頼をいただきましたので、掲載しております。

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