2020年4月27日月曜日

新型コロナウイルスの感染拡大と発達障害者の就職、発達障害の理解を深める発達障害啓発週間、発達障害児に対する目の運動能力、発達障害の不安を掻き立てるニセ科学、発達障害児の考える前に行動する特徴

新型コロナウイルスの感染拡大と発達障害者の就職、発達障害の理解を深める発達障害啓発週間、発達障害児に対する目の運動能力、発達障害の不安を掻き立てるニセ科学、発達障害児の考える前に行動する特徴について

#1
 新型コロナウイルスの感染拡大と発達障害者の就職

#2 発達障害の理解を深める発達障害啓発週間

#3 発達障害児に対する目の運動能力

#4 発達障害の不安を掻き立てるニセ科学

#5
 発達障害児の考える前に行動する特徴

発達障害を理解するためのコンテンツ 

発達障害者支援法


#1

新型コロナウイルスの感染拡大と発達障害者の就職

新型コロナウイルスの感染拡大によって正社員として採用されずはずだった人の採用中止が相次ぎ、非正規社員での採用も減り、中にはパートやアルバイトの採用も減らしているような状況です。

これまでの経済状況の中でも発達障害者の働き場は多くはなかったのですが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は発達障害者と、その家族にとっては厳しい状態になっています。

新型コロナウイルスの感染拡大が終息すれば、また就職事情も回復するだろうという甘い考えをする人もいますが、感染拡大による経済被害が目先の売り上げの減少なら回復をして、就職の状況もよくなることも期待できるのでしょうが、新型コロナウイルスの感染拡大によって社会システムの変革が必要になり、今までの常識が通用しなくなりそうな状況です。

これでは期待はできないという考え方をする人も少なくありません。

これまでは売り上げが少ない、売り上げが減ってきたという状況でも、数を増やして薄利多売で乗り切ることができた業界が数多くあります。

利益幅が少なくても、数さえ増やせば全体収益が上がって、事業を継続することも雇用を保つこともできました。

薄利多売がいけないというのではなくて、薄利多売を続けるなら、これとは異なった収益法、それも薄利多売の手法が通じないような社会状況になったときに、問題なく稼ぎ続けられるようなバランスの取れる収益法を考えるべきです。

発達障害者の就職は、受け入れ先の変革だけでは継続させられるものではなりません。

発達障害者も、これまでと同じ条件で受け入れられてもらえる、これまでと同じような能力を身につければよい、というような考えが通用する状態ではなくなります。

いつ感染拡大によって社会情勢が変わり、経済活動を変えなければならない、そのための人材も余裕を持って入れられないという状況になると、特別な能力が求められるようになります。

発達障害者の支援というと、これまでは凹凸の凹の欠けている部分を埋めることが重視されてきましたが、これからは凸を伸ばしていって、他に負けない人材としないと通用しにくくなるということを考えて改善支援をするべき時代になってきているという認識です。

#2

発達障害の理解を深める発達障害啓発週間

国連は4月2日を世界自閉症啓発デーと定めています。

これは自閉症だけでなく、他の発達障害についても理解を深めて、発達障害者の改善のための支援を進める啓発活動です。

これと連動して、厚生労働省は4月2日から8日を発達障害啓発週間としています。

自治体などでも、さまざまな活動がされていますが、世界の活動に合わせて各地のランドマークでは青色のライトアップが実施されます。

ライトアップというと、乳がんの啓発のピンクリボンでは東京タワーや通天閣、姫路城などがピンク色にライトアップされることは有名で、ピンクリボンをつけた人のウォーキングイベントなども実施されているので知っている人も多いようです。

これに比べると青色のリボンは、さまざまなところで使われているので、発達障害をイメージする人は少ないかもしれません。

ブルーリボンというとブルーリボン賞が有名で、同じ名前で映画、鉄道、船舶で賞が設けられています。

ブルーリボン運動というと言論自由運動や拉致問題、受動喫煙防止などの各運動で使われています。

健康に関わる啓発運動でも慢性疲労症候群の啓発デーのシンボルカラーはブルーで、ブルーリボンが使われています。

世界自閉症啓発デーについては日本実行委員会が設けられていて、専用WEBサイトがあり、国内の活動やイベントの情報が伝えられています。

シンポジウムが4月4日に予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって今年の実施は中止となりました。

東京タワーではライトアップに合わせたイベントが計画されていましたが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大によって中止になったものの、ライトアップは実施されます。

これらの会場にはブルーリボンに限らず、青色のものを身につけて来場することが呼びかけられていましたが、イベントが中止となっても、せめて青色のものを目立つようにして外出したいものです。

もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛が求められている地域では、それに従った範囲での実施にしてほしいのですが。

#3

発達障害児に対する目の運動能力

発達障害児は運動が苦手なことが多いのですが、中でもボールやシャトルなどの飛んでくるものに対する感覚が充分に備わっていないことから、他の運動の能力には問題がなくて、運動能力に優れたところがあっても飛んでくるものには的確に対応できないことから、一定の運動能力では“運痴”(運動の音痴)みたいなことが指摘されることがあります。

この動くものに対する運痴は、脳の機能が発達していないことのように言われることが多いのですが、目の動きがよくないことが影響していることがあげられます。

自分に向かって飛んでくるものに対する反応としては、目を上下左右に動かして、ピント合わせによって前後でキャッチすることによって、実際に動いているモノを捉えて、これからの動きを予測して身体を動かすことによって、キャッチしたり、打ち返したりすることができます。

運動能力ということでは、眼球運動ということが言われます。両眼の眼球運動には、向き運動と寄せ運動があります。

向き運動は両眼で同じ方向を向く共同性に運動です。

左右の眼は離れたところにあり、同じ対象物を見ても角度の違いがあって、左右では違った見え方をしています。

その違いから、その対象物の位置と動きを判断して、それに対する反応をすることができます。

向き運動には衝動性眼球運動(サッカード)と追従眼球運動(パースーツ)があります。

衝動性眼球運動は見ようとする物に素早く視線を向けて、網膜の中心窩(網膜の黄斑部の中心)に投影するための眼球運動です。

追従眼球運動は空間を移動する対象を物に視線が追随して動いて、ゆっくりと対象物を注視し続ける眼球運動です。

これに対して寄せ運動は両眼が反対方向に動く非共同性の運動で、いわゆる寄り目と開散(寄り目の反対に左右の目玉が外を向く)があります。

この眼球運動がスムーズにいかないために、対象物を目で捉えることができずに、首を動かして、対象物を捉えるようになります。

こういった状態だと、素早く対象物を捉えることができにくくなって、飛んでくるものをキャッチしにくくなるのです。

#4

発達障害の不安を掻き立てるニセ科学

科学的な説明をさせると信じやすいということは以前からあったことです。

科学的な説明をしたほうが商品が売れやすい、サービスが受け入れやすいということで、商品販売、サービス提供の手法として、もっともらしい説明をしていることが目立っています。

これはニセ科学と呼ばれていますが、その一つとしてあげられるのが「好転反応」です。

好転反応というのは、身体によいものを摂ると、改善する前に一時的に悪い状態になることを指しています。

身体の中に蓄積されている有害物質を排出するものを摂った場合には、一時的に排出量が増えるために、皮膚からも排出されて、皮膚が赤くなる、かゆみが出るといった症状が現れることがある、といった説明をされています。

だから、ある成分を摂取したことによって反応が起こったら、これは身体にとってよい反応なので、成分の摂取を続けるべきだと主張しているわけです。

普通の感覚なら、何かの成分を摂って普段とは異なる反応が出たとすると、これは副作用ではないか、アレルギーではないか、と考えるのは当たり前の反応のはずです。

ところが、よくなる前の悪い反応という説明を受け入れてしまいがちです。

というのは、好転反応は以前からあった言葉で、思った以上に浸透しています。

東洋医学では好転反応は教科書にも載っていることで、漢方薬では当たり前のように起こっていることだからです。

発達障害の改善については好転反応が起こるかということですが、改善する前に一時的であっても悪い状態になるということはあってはならないことです。

自閉症スペクトラム障害で外部との交流が苦手な人を無理に交流させたとすると、当然の反応として状態が悪くなることもあります。

本来ならやるべきではないことをやって、よくない状態になっても、これが改善される前兆だと思い込んで続けてしまったら、どんどん悪くなる方向に進むことが考えられます。

しかし、好転反応のようなことを主張する人は少なくなくて、しかも治療やコンサルタントを仕事としている人にもいます。

こういった不安を感じたときに相談することができる、身近な存在であり、しかも科学的に的確に返答してくれる存在は重要であると考えています。

#5

発達障害児の考える前に行動する特徴

新型コロナウイルスの感染拡大から、繁華街の外出を避けるように大人がいくら言っても、若者は言うことを聞かず、東京の渋谷や原宿に多くの若者が出歩いていました。

不要不急の外出を避けることは必要だと言われても、密閉空間、密着場所、密接場面の3つの密でなければ感染リスクが低いということが報道されると、外だから感染しないと考えるのもわからないではない気がします。

繁華街を歩くだけで、店にも入らないから安全だという感覚のようですが、繁華街に来るまでの移動手段が3つの密に該当する混雑した電車であれば、繁華街に行くのは安全ではないということになります。

しかし、そのことを考えることもなく、家の中にいるのはつまらないから、友達を遊びたいからという気持ちが優先されて、詳しいことを考えることなく行動に移しています。

この状態についてテレビ番組のコメンテーターが「発達障害ではないか」という発言をしていました。

考える前に行動を起こすのは、発達障害障害の注意欠如・多動性障害に特徴的にみられることです。

じっとしていられないという特性は、今回の深く考えることなくリスクが高いところに行くという若者の行動と共通しているようにも感じます。

リスクの高いところに、リスクの高い移動法で来たことを他から指摘されて、初めて気づいたという声もありました。

不要不急の外出は自粛するように言われていることはわかっていても、本人にしてみると不要不急だという感覚を持っています。

感染防止のために一斉休校となった小学校、中学校、高等学校、特別養護学校は4月から一斉開校されるとの話があったとき、それまでの期間しか友達と遊ぶ機会がないからというのは、当事者にとっては不要不急ではなくて“必要火急”の用件となっています。

発達障害児のような行動を多くの若者が我慢できずにやってしまうことを見ると、考える前に行動をするのは発達障害児だけの特性ではないようにも思われます。

発達障害児を考えた対応を、子どもに対してもやらなければならない状況になっているのかもしれません。

特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構

理事長 小林正人様

より掲載依頼をいただきましたので、掲載しております。

発達障害を理解するためのコンテンツ

発達障害者支援法

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