2020年4月23日木曜日

発達障害の定義、発達障害の原因、発達障害は疲れやすい、発達障害の食事のこだわりは理解されにくい、発達障害とメディカルダイエットの関係

発達障害の定義、発達障害の原因、発達障害は疲れやすい、発達障害の食事のこだわりは理解されにくい、発達障害とメディカルダイエットの関係について

#1
 発達障害の定義

#2 発達障害の原因

#3 発達障害は疲れやすい

#4 発達障害の食事のこだわりは理解されにくい

#5
 発達障害とメディカルダイエットの関係

発達障害を理解するためのコンテンツ 

発達障害者支援法


#1

発達障害の定義

自閉症の定義
(Autistic Disorder)
〔平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より作成〕

 自閉症とは、3歳位までに現れ、
①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

高機能自閉症の定義
(High-Functioning Autism)
〔平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より抜粋〕
 高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。


注意欠陥/多動性障害(ADHD)の定義
(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
〔平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より抜粋〕

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。

また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。


学習障害(LD)の定義
(Learning Disabilities)
〔平成11年7月の「学習障害児に対する指導について(報告)」参考資料より抜粋〕

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。

学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

※アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものである。なお、高機能自閉症やアスペルガー症候群は、広汎性発達障害に分類されるものである。

#2

発達障害の原因

発達障害の原因は多岐にわたっており、不明な点が多く残されています。

複数の要素が関係し、遺伝的、胎児期の保健状態、出生時の環境、感染症、環境要因などがあげられています。

双子研究によって、遺伝要因と、それ以外の要因の影響度を算出することが可能で、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥多動性障害(ADHD)に関しては遺伝要因の影響が大きいことが確認されています。

大部分の発達障害は乳児出生前に形成されますが、一部は出生後の外傷、感染症、その他の要素に起因することもあります。さまざまな原因がありますが、例として以下があげられています。

 ・遺伝子や染色体の異常:ダウン症候群、レット症候群など

 ・妊娠中か生後7か月?3年の環境

 ・妊娠期の物質使用(アルコールなど):胎児性アルコール・スペクトラム障害など

 ・妊娠期における感染症

 ・未熟児出産

かつては子育てが原因と指摘されていた時代がありましたが、近年の研究によって遺伝要因と環境要因が複雑に組み合わさっていることがわかりました。

しかし、どのような遺伝子が関連して症状を引き出しているのか、親からの遺伝がどの程度か、遺伝しないで発症する確率がどのくらいかは明らかではなく、環境要因についても何が大きく影響しているのかわからないことが圧倒的に多い状況です。

#3

発達障害は疲れやすい

発達障害の子どもは疲れやすく、これが発達障害の状態を悪化させることにつながっています。

通常では自然に、無意識のうちにできることであっても、発達障害の子どもは環境に合わせるために心身をフル回転させて対応させていることがあります。

感覚過敏は、刺激に対してストレスを感じやすく、そのために神経をすり減らしやすい傾向にあります。

効率よく身体を動かすことが苦手な人は、脳が運動を調整しにくく、極端に不器用であったり、力加減を調整しにくいために、服を着たり、靴ひもを結ぶといった日常的に行われる動作でも苦労するために脳の疲労が蓄積されやすい傾向があります。

 多動・衝動性のタイプは思考や行動のコントロールが効きにくいことから活動量が多く、日常的なエネルギー消費が激しくなっています。また、衝動性をコントロールしようとすることによって、神経をすり減らして疲れる例も多くなっています。

発達障害に共通する自律神経の乱れから、緊張感が続いたり、身体や脳の休養をとることも苦手で、中でも注意欠陥多動性障害の子どもの半数ほどに睡眠に関する障害が起こっているとされています。

発達障害の子どもが疲労を訴えるのは、このような理由があるからですが、中には疲労を訴えないために気づかれないことも少なくなりません。

ストレスを軽減させる方法や休息を与えることだけでなく、疲労の根本原因である自律神経の働きを調整するために、睡眠、食事、排泄、運動といった生活リズムを整える家庭での過ごし方が大切になります。

#4

発達障害の食事のこだわりは理解されにくい

発達障害は医学の診断でも法律でも使われているので、あえて使うこととしますが、発達障害の子どもには特徴的な感覚の偏りがあり、中でも感覚過敏と感覚鈍麻が大きな特徴としてあげられています。

五感(味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚)の偏りは、発育につれて神経発達が進む中で、初めのうちが抵抗感があることも普通なら五感の慣れから受け入れられるようになるものです。

例えば、味覚の酸味や苦味は有害な物質として判断されることから乳児には嫌われるものですが、食べている間に慣れていき、複雑な味わいも受け入れることができるようになります。

発達障害の感覚過敏としては、味覚では、特定の味をすごく嫌がる、味が違うことに敏感で決まったものをずっと食べる、味や食感が混じり合うことを嫌がる、特定の食感をとても嫌がるといったことがあります。

特定の食感に対する反応は、味覚というよりも触覚といったほうがよいかもしれませんが、ネバネバや揚げ物の衣のチクチク感が気になって、例えばコロッケは衣が嫌で食べられないという子どもがいれば、衣は平気なのにコロッケの中身の感触のネバネバ、グチャグチャが嫌で衣しか食べられないということもあります。

中には、キノコはプラスチックを口に入れたような感触で食べられないということもあります。

煮物は一つひとつの食材は食べられても、肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギが一緒に出てくると、味が混じることで食べられない、食品の味がわからないから食べられないということがあります。

ということで、食材を目で確認して選択して食べられる肉じゃがは大丈夫でも、同じ食材を使われたカレーやシチューは食べられない、食べるように言われることに耐えられないというのも、よくみられることです。

視覚にも敏感で、茶色の料理が嫌という子どもがいれば、鮮やかな色が気持ち悪いということを言う子どももいます。

また、嗅覚にも敏感で、苦手な料理の匂いがするだけで気持ちが悪くなるという例や、噛むときに口の中で発する音が嫌で食べられない、味覚と温度が一途しないと食べられないという例もあって、どれに相当するか、他にもないのかと徹底的にリサーチすることから始まります。

#5

発達障害とメディカルダイエットの関係

日本メディカルダイエット支援機構が発達障害の支援に取り組んでいるのは、メディカルダイエットの研究が発達障害をきっかけに始まったという経緯があります。

小児肥満に対する食事指導のチームに加わったときに、通常の食事指導が通じない子どもがいました。

今にして思うと、発達障害児と推定される割合とほぼ同じ10%くらいでした。

小児肥満は成長期に体脂肪のコントロールをしないといけないことから、通常の食事療法、運動療法が通じにくく、これを改善するために専門家の方々と考え出したのが食事と運動の組み合わせによる効果的な筋肉増強、体脂肪減少の方法で、これが組み合わせによる“無理なく無駄なく”のメディカルダイエットの基礎となっています。

その効果を、さらに高めるために研究したのが食事と休養、運動と休養の組み合わせによる3種類の手法です。

ここでいう専門家というのは栄養だけでなく、運動、睡眠、入浴といった生理学に広く関わる研究者です。日本メディカルダイエット支援機構は、「健康情報メール」を毎週1回発信していますが、これは専門家の方々と情報共有するために始めたもので、今年中に500回となります。

ただでさえ通常の体脂肪コントロール法が通じにくい小児肥満に、発達障害が加わると、当たり前に食べ物を口に入れる、噛む、飲み込むという普通だったら気を使わなくてもよい、指導することがないというところから指導をしなければならないからです。

それどころから基本的な栄養摂取のために食べてほしい食品、調理法が、そもそも受け入れられないということがあって、共通した指導が通じなくて、それこそ個別に献立を提供して、指導をしていかなければならないということが普通に起こります。

この対応こそが、発達障害対策の個人対応(パーソナルケア)の基本中の基本となっています。ここまで書いてきて、“発達障害”という言葉に今さらながら違和感を感じています。

特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構

理事長 小林正人様

より掲載依頼をいただきましたので、掲載しております。

発達障害を理解するためのコンテンツ

発達障害者支援法

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