発達障害の二次障害には男女で特徴がある、自閉症スペクトラム障害の遺伝的リスクと神経発達の関連、発達性協調運動障害は発達障害なのか、発達障害のトゥレット障害が理解されていない、発達障害の吃音障害が理解されていないについて |
#1 発達障害の二次障害には男女で特徴がある #2 自閉症スペクトラム障害の遺伝的リスクと神経発達の関連 #3 発達性協調運動障害は発達障害なのか #4 発達障害のトゥレット障害が理解されていない #5 発達障害の吃音障害が理解されていない ■発達障害を理解するためのコンテンツ ■発達障害者支援法 |
#1 発達障害の二次障害には男女で特徴がある |
発達障害の人は、相当の苦しみを感じて暮らしていますが、それに追い討ちをかけるように起こるのが二次障害です。 二次障害としては、うつ、不安症、摂食障害、パーソナリティ障害などがあげられています。 これは男女ともに同じことですが、女性は子どものときに発達障害であることに気づかれずに、二次障害が起こったことをきっかけとして、発達障害であることが判明したという例も少なくありません。 発達障害の自閉症スペクトラム障害は、周囲とのコミュニケーションを取るのが苦手で、周囲とのズレを感じて自信が持てない、生きづらいと感じることが多くなっています。 また、こだわりが強いのも特徴のひとつです。 これは男女ともにみられることですが、女性の場合には、こだわりの方向が食事に向かうことから、その種類やエネルギー量(カロリー)だけでなく、体重や体型といったところまで進むとダイエットに極端なこだわりが生じることがあります。 そのために摂食障害が起こることにもなります。 自閉症スペクトラム障害では感覚過敏が起こり、これが原因となって食べられない食品や料理が増えていきます。 ただでも栄養素が不足しているところに、摂食障害で食べる量が減ってしまうと、やせすぎて体調管理ができなくなってしまうこともあります。 パーソナリティ障害は人格障害とも呼ばれ、一般社会の中で期待される規範とは異なる思考、知覚、反応、対人関係のパターンが若いときからみられることを指しています。 子どものころには“おっちょこちょい”などと軽い気持ちで見守っていられることも、注意力が低下している状態が大人になっても続くとなると笑って済まされることではなくなります。 特に女性は気を使った付き合いが求められることが多く、“気が利かない”“空気が読めない”というマイナスに取られてしまうことにもなります。 発達障害の女性は、うまくいかなかった失敗体験が次々と重なって、自信が持てなくなるだけでなく、これが二次障害へとつながりやすいということです。 |
#2 自閉症スペクトラム障害の遺伝的リスクと神経発達の関連 |
浜松医科大学子どものこころの発達研究センターは、遺伝子解析によって自閉症スペクトラム障害と関連する遺伝子の変化がある子どもは1歳6か月の時点で特定の領域の神経発達に遅れがみられることを発表しています。 自閉症スペクトラム障害の発現には、さまざまな環境因子と遺伝子の変化が関連していることが明らかになってきています。 この遺伝子の変化には非常に稀なものと頻度の高いものの2種類があって、大部分の自閉症スペクトラム障害では頻度の高い遺伝子の変化があり、それも複数が組み合わさって発症に関わっていると考えられています。 そこまではわかっていても、頻度の高い遺伝子の変化が幼少期の神経発達に与える影響について、これまで明らかではありませんでした。 876人の参加者に約650万か所の遺伝子の変化が調べられ、自閉症スペクトラム障害に関連する遺伝子の変化の数と効果の大きさを考慮して、ポリジェニックリスクスコアを呼ばれる遺伝子リスクが算出されました。 1歳6か月の時点での神経発達については、粗大運動、微細運動、受容言語、表出言語、視覚受容の5つの領域の発達が評価されました。 その結果、自閉症スペクトラム障害の発症リスクを高める遺伝子の変化を多く持っていると、自閉症スペクトラム障害の特性が強くなることが確認されました。 ポリジェニックリスクスコアを用いて自閉症スペクトラム障害傾向との関連を解析したところ、ポリジェニックリスクスコアが高いと自閉症スペクトラム障害の傾向が強くなり、特に社会的コミュニケーションの苦手さが強くなることがわかりました。 その一方で、自閉症スペクトラム障害の特徴であるこだわりの強さについては、関連は見られたものの、社会的コミュニケーションに比べると弱い関連となっていました。 自閉症スペクトラム障害と遺伝子の関連は明らかになってきたといっても、全員が遺伝子を調べられるわけではなく、自閉症スペクトラム障害で特に問題とされる社会的コミュニケーションの苦手さについても大きな差があります。 となると、社会的コミュニケーションについての対策を、より積極的に進めなければならないということになります。 |
#3 発達性協調運動障害は発達障害なのか |
発達障害は一般には自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害があげられることが多くて、この3種類だけが発達障害と勘違いされることがあるのですが、三大発達障害の他にもトゥレット障害、吃音障害、そして発達性協調運動障害があります。 発達性協調運動障害は三大発達障害ではないものの、発達障害の一つであるということです。 発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorder)は粗大運動(歩く、走る、跳ぶなど)や微細運動(字を書く、ハサミを使う、紐を結ぶなど)、強調運動(スキップする、楽器を演奏する、縄跳びをするなど)の発達が、その人の知能から期待される水準よりも遅れているか稚拙であり、そのために日常生活に著しく支障をきらす場合に診断されます。 ただし、脳性まひなどの神経疾患や筋疾患は発達性協調運動障害から除外されています。 発達性協調運動障害の発現率ですが、5?11歳の子どもの場合は5?10%とされています。 男子は女子よりも発現率が高くて、男女比は2:1という報告から7:1という報告まであって、実際のところはわかっていないのですが、男子は発達性協調運動障害のために苦しんでいることが多いということは間違いないことです。 発達性協調運動障害の子どもは、乳児期には寝返りやハイハイ、お座りが遅いことから気にかけられることがあり、少し成長してからは階段を上る、自転車に乗る、シャツのボタンをかけるということがうまくできないということが現れます。 できたとしても、同年代と比べて動きがぎごちなく、時間がかかることがあります。さらに成長してからは字を書く、パズルの組み立て、チームでの球技などがスムーズにできず、不正確になるということもみられるようになります。 それが日常生活に支障を生じさせていないなら、まだ障害というほどのことではなくても、服を着るのに手間取る、こぼさずに食事をすることができない、身体に適した遊びができない、ハサミや定規などの道具がうまく使えないということになると、発達性協調運動障害と判定されることになります。 このような状態になっていると、人並みはずれた不器用、極端に運動が苦手な子と言われて、その原因として過保護な育児や運動不足があげられて、親を悩ませ、苦しませることがあります。 しかし、これは親のせいではなくて、発達性協調運動障害である場合があるのです。 発達障害の改善に実施される運動療法は、発達性協調運動障害の改善にもつながることが明らかにされています。 |
#4 発達障害のトゥレット障害が理解されていない |
発達障害の一つにトゥレット障害があります。 これはチックという神経精神疾患のうち、音声や行動の症状が慢性的に続くもの(突発性、急速、反復性、非律動的、常同的な運動や発声)を指しています。 発症は18歳未満で、4週間以上持続するものをいいますが、半数は18歳までに消失するといいます。 発現率としては1000人あたり3~8人ですが、男子は女子よりも発現しやすく、2~4倍にもなっています。 原因はわかっていないものの、家族内で多く見られることがあることから、遺伝的因子が関与していると考えられています。 チックは軽いものは5人に1人の小児にみられるものの、軽度のために医師でも見逃すことがあります。 チックのある子どもには注意欠如・多動性障害のほか、強迫性障害、不安障害、うつ病、学習障害などがみられることがあります。 これらとチックが同時にあると、ますますトゥレット障害が強く現れることにもなりかねません。 チックは運動チックと音声チックがあります。 運動チックは目的のない同じような不随意運動(まばたきをする、顔をしかめる、急に頭を振るなど)が素早く不規則に繰り返されるもので、音声チックは意図しない音や言葉が突然繰り返されるものです。 この両方がみられたときにトゥレット障害と診断されます。 チックは突然、劇的に始まることがあり、1時間に何回も起こることがあれば、数か月ほとんど現れないことがあり、再び突然起こるというような発現があります。 チックは単純性チックと複雑性チックに分けられます。 単純性チックは極めて短いチックで、神経質な癖として現れることがあります。 複雑性チックは単純性チックが複数組み合わされたもので、長く続く特徴があります。 複雑性チックの中には、卑猥な言葉や便に関連した言葉を叫ぶ汚言がみられることがあります。 特徴的な行動だけに、トゥレット障害というと汚言を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、トゥレット障害の約85%には汚言はみられていません。 汚言を口にしたり、他の人の動きや言葉を繰り返すという複雑性チックは、わざとやっているように見えることもあるのですが、トゥレット障害の人は意図的にやっているわけではありません。 チックが起こる前には、その行動をしたくなる強い衝動が生じています。 この衝動は、くしゃみをしたり、かゆいところを掻きたくなる無意識の行動に似ています。 チックが起こる体の部分では緊張が高まり、チックを起こしたあとには一時的に落ち着くようになります。 チックは数秒から数分なら我慢ができても、意識的な努力が必要で、簡単なことではありません。 我慢をしても衝動は抑えられるものではなく、精神的なストレスがあるときには特に抑えにくくなります。 ストレスはチックを悪化させるので、無理に抑えるようなことはしてはいけないということです。 |
#5 発達障害の吃音障害が理解されていない |
発達障害の吃音障害が理解されていない 吃音というのは、一般に「どもる」といわれる話し方に関する発話障害を指しています。 年齢や言語能力に比べて、なめらかに話すことが困難な状態で、複数の特徴的な症状のうち一つ以上があるもの場合に診断されます。 その症状は、以下の3種類です。 1 連発・反復(単音や単語の一部を繰り返す) 例:「き、き、き、きのう」 2 伸発・引き伸ばし(単語の一部を長く伸ばす) 例:「きーーのうね」 3 難発・ブロック(単語の出始めで詰まる) 例:「……っきのう」 吃音障害の症状は幼児期に発現するのがほとんどですが、思春期から目立ってくる場合もあります。 幼児期から吃音障害が出た場合の過半数は、学童期や、それ以降の成人するまでに症状が消失したり軽くなることがありますが、中には成人後にも持続する場合があります。 吃音障害は、発達性吃音と獲得性吃音に分類されていますが、9割ほどは発達性吃音となっています。 発達性吃音としては、次のような特徴があります。 ・幼児が2語文以上の複雑な発話を開始する時期に起きやすい ・幼児期(2?5歳)に発症する場合がほとんど(小学生以降の発症もある) ・発症率は5%程度 ・発症率に国や言語による差はないと言われる ・有病率は約1% ・男女比は4:1と男性に多いが、幼児期は男女差がない ・発症は体質的要因(子ども自身が持つ吃音になりやすい何らかの特徴)、発達的要因(身体、認知、言語、情緒が爆発的に発達する時期の影響)、環境因子(周囲の人との関係や生活上の出来事)が互いに影響して起こる 症状が続いたり、言葉の出にくさが強くなってくると話すことに嫌悪や恐怖が起こって、さらに言葉が出にくくなりがちです。 |
特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 理事長 小林正人様 より掲載依頼をいただきましたので、掲載しております。 発達障害を理解するためのコンテンツ 発達障害者支援法 |
機能性表示食品の届出番号・届出日・届出者名・法人番号・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・表示しようとする機能性、対象者、安全性、生産・製造・品質管理、機能性の基本情報
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2020年4月27日月曜日
発達障害の二次障害には男女で特徴がある、自閉症スペクトラム障害の遺伝的リスクと神経発達の関連、発達性協調運動障害は発達障害なのか、発達障害のトゥレット障害が理解されていない、発達障害の吃音障害が理解されていない
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