発達障害の頑張るエネルギーはクエン酸で増やせるのか、発達障害の改善にはエネルギー産生のビタミンB群が必要、発達障害の感覚過敏が味覚に影響する、発達障害の感覚過敏の視覚過敏で食べられなくなる、発達障害の感覚過敏の嗅覚と聴覚の過敏で食べられないについて |
#1 発達障害の頑張るエネルギーはクエン酸で増やせるのか #2 発達障害の改善にはエネルギー産生のビタミンB群が必要 #3 発達障害の感覚過敏が味覚に影響する #4 発達障害の感覚過敏の視覚過敏で食べられなくなる #5 発達障害の感覚過敏の嗅覚と聴覚の過敏で食べられない ■発達障害を理解するためのコンテンツ ■発達障害者支援法 |
#1 発達障害の頑張るエネルギーはクエン酸で増やせるのか |
発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏のうち、食事に直接的に影響する味覚過敏のうち、特に考えたいのは酸味の過敏です。 酸味がある食品の代表というと柑橘類とされますが、柑橘類はビタミンCが多いだけでなく、クエン酸が豊富に含まれています。 クエン酸は酸味成分そのものの有機化合物で、柑橘類のほかでは梅干しや酢(特に黒酢)に含まれています。 クエン酸は疲労回復の成分とされていて、それは全身の細胞で発生するエネルギーを増やす効果があるからです。 細胞の中のエネルギー産生の小器官のミトコンドリア中には、TCA回路があります。 TCA回路は発見者の名前(ノーベル賞受賞者のハンス・クレブス博士)からクレブス回路とも呼ばれますが、もう一つの呼び名はクエン酸回路です。 エネルギー源のブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸はピルビン酸からアセチルCoAに変わり、TCA回路に入るとクエン酸に変化します。 このあと複数の酸に変化しながら一周してクエン酸に戻ってきたときにエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。 ATPからリン(P)が一つはずれたADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。 クエン酸が体内に多くあると、TCA回路のスタート地点の成分が多くなるということで、エネルギー産生が高まります。 これは疲労が回復するという結果だけでなく、全身の細胞で作り出されるエネルギー量が増えることになります。 細胞の中でTCA回路によって発生したエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。 その細胞で作り出されたエネルギーは他の細胞に流れていくことはない、いわば地産地消の状態となっています。 全身の健康のためには、全身の細胞でエネルギーを多く作り出すために、クエン酸が有効になるというわけです。 クエン酸は黒酢にも多く含まれます。 一般の酢(米酢)にはクエン酸も含まれるものの酢酸のほうが多く、クエン酸を多く摂ることができるのは黒酢のほうです。 黒酢には特有の酸味があって、味覚過敏で酸味が苦手な人には取りにくいものですが、甘みをつけて酸味を感じにくくして飲むことは可能です。 |
#2 発達障害の改善にはエネルギー産生のビタミンB群が必要 |
発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏の中でも対策が必要なものとして、味覚過敏の酸味の過敏について先に紹介して、酸味が強いクエン酸を摂ることにとって体内のエネルギー産生を高めることについて説明しました。 クエン酸が有効であるといっても、酸味に過敏で、酸味があるものを食べられない人には、甘味など他の味でカバーするのも難しいということもあります。 細胞のミトコンドリアの中のTCA回路の働きを高める方法は、回路のスタート地点にあるクエン酸を増やすだけではなく、TCA回路の回転を全体的に高めるという手段があります。 TCA回路ではクエン酸から次々に別の酸に変化していって、一周するとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。 別の酸に変化するときにビタミンB群のビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12がすべて必要になります。 ビタミンB群は水溶性ビタミンで、体内に保持できる時間が短く、毎日の食事で摂る必要があります。 ビタミンB1とビタミンB2は体内では24時間は保持できるので、1日に1回だけ摂ることでも対応できます。 ところが、ビタミンB6とビタミンB12は12時間ほどしか保持できないので、朝食と夕食で摂っておかないと不足することになります。 ダイエットのためだけでなく、食事時間が取れない、できるだけ長く寝ていたいということのほかに、食欲が湧かないという理由などがあって、朝食を食べない人もいます。 何かを口に入れているとしても、ビタミンB6とビタミンB12が含まれた食品を食べていないと、エネルギー代謝的には食べていないのと同じようなことになってしまいます。 ビタミンB1は豚肉やレバー、大豆に、ビタミンB2はレバーや魚、乳製品、卵、大豆に、ビタミンB6は魚や肉、卵、バナナに、ビタミンB12は魚や魚介類、肉に多く含まれています。 これらの食品も味覚過敏のために食べられないという発達障害児はたくさんいます。 レバーは大人でも食べにくい食品で、牛乳を飲めないという子どもも多くいます。 牛乳は白い色が苦手、とろみを感じて飲めないというほかに、牛が怖いから臭いから牛乳が嫌で飲めないという子どももいます。 味覚過敏のために好き嫌いを超えて、生理的に受け付けない子どもたちのために、味覚障害と対応については、いくらでも考えなければいけないことがあります。 |
#3 発達障害の感覚過敏が味覚に影響する |
発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏は、食事の内容に影響を与えることになり、中には感覚過敏のために極端な偏食になる例も少なくありません。 食べることに直接的に関わってくるのは味覚過敏ですが、味覚以外にも食べられるものを制限するような感覚過敏が多く確認されています。 温かいものは温かく、冷たいものは冷たくして提供するのが料理の基本です。 温かさの基準となるのは60℃です。 温かいは80℃、60~80℃がぬるいというのが通常の感覚です。 この温度なら熱いとは感じないように思われるところですが、感覚過敏には60℃以下で、冷めていると感じるような温度であっても火傷しそうに熱く感じる人がいます。 これとは逆に冷たいものが痛みを感じて飲めないという場合もあります。 冷蔵庫の温度は5℃が中心温度で、10℃以下に保たれるように設定されています。 冷蔵庫から出して、おいしく感じるサラダの温度は10℃以下とされていますが、これでも痛みを感じるのが感覚過敏の特徴です。 感覚過敏では氷が歯に当たっただけで強烈な痛みにも感じます。 「茹で野菜なのに固くて痛みを感じるので食べられない」ということもあれば、「三つ葉の茎が喉に刺さる」と訴える人もいます。 固いものを噛むには歯にも歯茎にも強めの刺激があるのですが、この刺激を痛みと感じると、その痛みを避けるために固いものが食べられなくなってしまいます。 野菜の食物繊維が刺さるという感覚は、細かく刻む、食物繊維の中でも刺激が弱い水溶性食物繊維が多く含まれるものに変えるということで対応できます。 しかし、これは家庭での食事の場合で、外食では食材や調理法を完全に選ぶのは難しいことです。 感覚過敏の中には、食器や箸、スプーン、フォークなどが変わると口の中の感覚が変わって食べられなくなるということがあります。 食器やグラス、口元に食べ物を運ぶ箸などが味にも影響するのは知られていることですが、それでも普通は少し味わいが変わるだけで、食べられないということはありません。 しかし、いつもと違う食器では食欲が湧かない、茶碗の大きさや形が違うと手で持てない、金属の食器では食べられないとなると、これは味覚や嗅覚、視覚、聴覚、触覚という、これまで食事に影響を与えてきたことに対応するだけでは、どうにも解決できないことです。 |
#4 発達障害の感覚過敏の視覚過敏で食べられなくなる |
発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏について、前に味覚過敏と食べることに直接関わることについて紹介しました。 今回は食事に関わる視覚過敏について取り上げます。 視覚過敏では、白いものしか食べられないという子どもがいます。 欧米の発達障害児の場合には黄色いものしか食べられないという例が多いのですが、日本人の場合には白いものしか食べられない、飲めないという視覚過敏が目立っています。 その理由は明らかにされてはいないのですが、これは健康維持には悪いことではありません。 というのは、日本の主食の米、パンでは白い食パン、麺類ではうどんといったエネルギー源があるからです。 白いものしかダメだという子どもがいる一方で、逆に白い食べ物や飲み物が嫌い、嫌いで済まなくて受けつけないという子どもも少数派ではあるものの、間違いなく存在しています。 これは視覚過敏のせいだけでなく、記憶や思い出が関係していることもあります。 その引き金となっていることに牛乳があげられています。 牛乳の味覚が嫌であった、牛が大きくて臭くて嫌いだから牛乳も嫌い、飲みたくない牛乳を無理に飲ませられたので嫌いになったということから、その牛乳の色である白いものを受けつけなくなるということが起こります。 食べ物の色だけでなく、白いものしか食べられない子どもは白い食器で提供される食べ物は平気でも、色がついた食器はだめで、子ども用の可愛い絵柄の食器では食べられないということがあります。 これとは逆に、白い食器に乗っているだけで食欲が湧かないということもあります。 食器の色は食べ物の色とのバランスが考えられていて、それで季節感や感じたり、おいしさが高まるというのが通常ですが、普通で考えると食欲が湧かない色合いの組み合わせの食器でないと逆に食欲が湧かないという提供する側にしたら困ったような状況もあるのです。 食器にこだわるようになると色だけでは終わらず、丸い食器なら平気でも角がある食器は嫌い、食欲が湧かない、手で持って食べる茶碗や汁椀、カップなども手の感覚に合わないと、これが食欲を低下させることにもつながります。 |
#5 発達障害の感覚過敏の嗅覚と聴覚の過敏で食べられない |
発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏について、視覚過敏の特徴について前に紹介しましたが、食事に関する感覚は一つの要素だけで決まるものではありません。 味覚は嗅覚の反応があって、初めて本来の味覚が感じられるものです。 鼻を塞いで食べると味がわからなくなるという身近な例からもわかるかと思います。 嗅覚過敏があると、苦手な臭いがあっただけで、味覚もおいしく感じられなくなるということがあります。 焦げた臭いに過敏に反応する子どもは、味覚のほうでも苦味を感じるということが起こります。 実際には苦味の成分は含まれていなくても、焦げた臭いが味覚の状態を変化させてしまっているということです。 焦げたものは嫌な臭いだけではなく、香ばしい匂いとして感じることが多いのですが、焦げた臭いが苦手になると、本来ならおいしく感じるはずの匂いが嫌な臭いと感じてしまうので、食欲に影響するだけでなく、どうしても食べられないという反応になることもあります。 香辛料は、味と匂いでおいしさを感じさせて、食品に含まれている多くの栄養素を摂るための有効な手段となります。 食が細い子どもであっても、カレーライスだけは食べてくれるということもあります。 ところが、味覚過敏だけでなく、嗅覚過敏であっても、香辛料の刺激的な匂いが、その子どもにとっては嫌な臭いとなって、不快を感じてしまうことになります。 自分が食べるものではなくて、デパートやスーパーマーケットの食品売り場で、香辛料の臭いが漂ってきただけで気分が悪くなる、売り場に足を踏み入れられないということも起こります。 次に聴覚過敏についてですが、特定の食べ物の音を嫌がる傾向があります。 その音というのは、バリバリ、ガリガリ、パリパリ、サクサク、シャキシャキなど、さまざまですが、その音が苦痛で、固いものが食べられない、野菜が噛めない、野菜が食べられないという子どももいます。 サクサクという感覚は揚げ物のおいしさを表現するときにも使われますが、コロッケを噛むときの音が嫌いということで、衣をはがして食べるという子どももいます。 食べ物のほうは平気でも、もしくは我慢の範囲であっても、ナイフやフォークが食器に当たる音が不快で、箸を使わないと食べられないという子どもいます。 これも自分の食器だけの話ではなく、家族や外食店の他の客の出す音も嫌で、一人でないと食べられないということもあるのです。 |
特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 理事長 小林正人様 より掲載依頼をいただきましたので、掲載しております。 発達障害を理解するためのコンテンツ 発達障害者支援法 |
機能性表示食品の届出番号・届出日・届出者名・法人番号・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・表示しようとする機能性、対象者、安全性、生産・製造・品質管理、機能性の基本情報
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2020年4月27日月曜日
発達障害の頑張るエネルギーはクエン酸で増やせるのか、発達障害の改善にはエネルギー産生のビタミンB群が必要、発達障害の感覚過敏が味覚に影響する、発達障害の感覚過敏の視覚過敏で食べられなくなる、発達障害の感覚過敏の嗅覚と聴覚の過敏で食べられない
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